量子機械学習

研究概要

量子コンピュータを機械学習や最適化にどう活用できるかを研究しています。量子回路を使ったデータ分類や組合せ最適化のアルゴリズムを考えるだけでなく、量子計算の利点や限界を数理的に明らかにすることも重要なテーマです。

量子機械学習(QML: Quantum Machine Learning)チームでは、理論と数値シミュレーションを中心に、変分量子アルゴリズムや量子機械学習、組合せ最適化などを研究しています。現在は、圧縮センシングの考え方を取り入れた最適化手法など、最適化を軸とするテーマが多くなっています。少数の量子ビットや浅い量子回路で実行できるアルゴリズムも研究対象です。

量子コンピュータを組合せ最適化に使う

多数の候補から条件を満たす良い組合せを探す「組合せ最適化」は、規模が大きくなるほど計算が難しくなります。私たちは、こうした問題に量子近似最適化アルゴリズム(QAOA)などを取り入れる方法を研究しています。また、圧縮センシングの考え方を応用し、少ない評価回数で良い解を探す最適化アルゴリズムの開発にも取り組んでいます。

代表的な研究:QAOAを用いた圧縮センシング、Monte-Carlo Compressive Optimizationによる組合せ最適化

量子回路を学習器として使う

量子回路にデータを入力し、回路のパラメータを学習させることで、分類などの機械学習を行う方法があります。私たちは、量子分類器の構成や学習方法を研究し、限られた量子資源や少ない測定回数でも学習できる方法を調べています。光量子回路を使った共同実験では、実際のデバイス上での性能も検証しています。

代表的な研究:Fully Quantum Classifier、少数のサンプルを用いた単一量子ビット分類器

小さな量子回路でどこまで計算できるか

現在の量子コンピュータには、利用できる量子ビット数や回路の深さに制約があります。私たちは、浅い量子回路や少数の量子ビットでどこまで計算できるかを、理論と実験の両面から調べています。量子と古典のプロセッサを同じ条件で比較する研究や、テンソルネットワークの近似を量子計算で扱う研究を進めています。

代表的な研究:Sequential Processorにおける量子優位性の実証、低ボンド次元テンソルネットワーク近似

研究の仕方

量子機械学習チームでは、数理モデルと数値シミュレーションを中心に研究を進めています。研究対象を学習問題や最適化問題として定式化し、量子回路やアルゴリズムを設計します。その後、シミュレーションで性能を調べ、古典的な手法との比較や理論解析を通して、どのような条件で機能するのかを確かめます。テーマによっては、共同研究者と光量子回路を使った実験による検証も行います。

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