分散量子計算

研究概要

量子コンピュータを大規模化する方法の一つに、複数の量子コンピュータや量子モジュールをつなぎ、協調して計算する「分散量子計算」があります。その実現には、離れた量子系の間で量子情報をやり取りする方法や、性能の限られたデバイスをどのように組み合わせるかを考える必要があります。

分散量子計算(DQC: Distributed Quantum Computation)チームでは、理論と数値シミュレーションを中心に、分散量子計算に必要な技術を研究しています。光を使った量子コンピュータ間の接続と量子最適制御、連続量を用いた光量子情報処理、実際のデバイスで生じるノイズと量子誤り訂正などを扱い、物理デバイスから情報処理まで幅広い観点から研究を進めています。

異なる量子コンピュータを光でつなぐ

分散量子計算では、複数の量子コンピュータの間に量子もつれを生成し、協調して計算できるようにする必要があります。私たちは、量子ビットから放出される光子の性質や制御方法を調べ、特性の異なる量子ノードの間に高品質な量子接続をつくる方法を研究しています。

代表的な研究:遠隔量子もつれ生成の性能解析、異なる共振器QED系間の光子波形最適化

光の連続量を使った誤りに強い量子情報処理

量子情報は、0と1からなる量子ビットだけでなく、光の振幅や位相のような連続的な自由度にも符号化できます。私たちは、cat符号などのボソニック符号や光学測定を利用し、光を使った量子情報処理の効率や誤りへの耐性を高める方法を研究しています。

代表的な研究:cat符号を用いた光学ベル測定、連続量を用いた光量子情報処理

実際の量子デバイスのノイズから誤り訂正を考える

量子コンピュータでは、デバイスの物理的な性質によってさまざまな誤りが生じます。私たちは、イオントラップ量子ゲートなどの物理モデルからノイズの性質を調べ、実際のデバイスを想定した量子誤り訂正やシミュレーションにつなげる研究を行っています。

代表的な研究:量子ゲートの物理ノイズ解析、量子誤り訂正に向けたエラーモデルの構築

研究の仕方

DQCチームでは、理論と数値シミュレーションを中心に研究を進めています。先行研究をもとに課題を整理し、対象となる量子系や情報処理を数理モデルで表します。Pythonなどを使ってシミュレーションや数値最適化を行い、結果を解析しながら教員やチームメンバーと議論を重ねます。

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