量子計算機が従来の計算機(量子と対比する意味で古典計算機と呼ばれます)と最も異なる点は、0,1のビットの代わりに、0,1及びその重ね合わせの状態をとることができる量子ビットを用いる点です。この重ね合わせにより、原理的には様々な解の可能性を並列的に処理できることができるようになります。現実の計算機を超える性能の実現はまだ容易ではありませんが、ゲート操作を組み合わせてプログラムする万能型量子計算機から、量子アニーリング、ボゾンサンプリングなど特定のアルゴリズムに特化した量子計算、また、現在の技術で実現可能な、雑音を含む中規模量子計算の応用を探るNISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum)デバイスの研究など、様々なアプローチが検討されています。我々は量子計算専門の研究室ではありませんが、量子光学的手法や情報理論などを手掛かりに、この分野に参入しつつあります。
研究テーマの例:
- 波長多重型ボゾンサンプリングとその量子科学への応用の研究
- 光量子機械学習の探索、量子機械学習の情報理論的解析
- 量子アニーリングの圧縮センシングへの応用